【夏休みの学生必見!】自由研究は○○を観察してみよう!
どうもこんにちは、上位存在です。
突然ですが、みなさんは夏休みの自由研究って何をしてました?
僕は毎年大きめのモールのおもちゃコーナーのワゴンで投げやりに売られている研究キットみたいなやつを買って適当にやっていました。半分くらい失敗に終わって、まとめたルーズリーフの最後のページに大きく「結果:失敗」と書いていましたが。
で、そんな僕が気になりながらもやったことのない自由研究があります。
これです。
アリが生きているのを観察するという、なんとも醜悪な(彼の主観です)研究です。生き物をなんだと思っているのでしょうか。
それはそれとして幼い頃から虫が苦手だったのでやらなかったんですけど。
大人になった今、やってみるのも乙なものでしょう。課されていないからこそ楽しい課題もあるはずです。
ただし、虫が苦手なのはそのままなので別のもので代用しようと思います。
こちらの下位存在たちを観察します。これなら裏側を見てグロテスクだと思うこともありませんからね。虫、裏側に全部詰め込みすぎなんですよ(弱点を隠すのは生物の基本ですからね)。
おしゃべりしてるみたいですね。何を話しているんでしょうか?
「恐竜ちゃんおはよう!」
「ペンギンさん、おはよう」
「今日もやることないねえ」
「でも今日みたいな日こそ愛するべきなんじゃないだろうか」
「義務も責任もない、だからやることもない」
「毎日苦しい思いをしながらしたくもないことをするよりはずっといいと思 わないか?」
「圧がすごいね」
「それはさておき、こないだこんなものを見つけたんだ」
「この丸いの、ふらふら動き回ってて面白いんだよ」
「ふむ、この紙っぺらの上でしか動けないようだ。紙っぺらの外に出ることもできない」
「実に面白いじゃないか。自分より劣っているものを見るほど愉快なものはないね」
この恐竜、性格が終わっています。そんなんだから絶滅するんだぞ。いや、絶滅したからこんな性格になったのかもしれませんけど(後者を認識することはできないので、前者でしょうね)。
「ほらほら、どんどん動ける範囲が狭くなっていくぞ」
「あはは、困ってる困ってる」
「これ、紙ごと破ったらどうなるんだろう?」
「やってみよう」
「動かなくなったな」
「残念、せっかくオモチャを見つけたと思ったのに」
ペンギンもペンギンで幼いシリアルキラーみたいな言動をしています。飛べないくせに。自分たちが大いなる存在だとでも思っているんでしょうか。片手で捻り潰せるか弱い下位存在のくせに、やることがいちいち傲慢です(本当ですね)。
「うーん、紙がもったいないなあ。何か有効活用できればいいんだけど」
「じゃあこの紙を42回折って月まで行こうじゃないか。我々の時間は無限にあると言っても過言ではなく、不可能だと思われることに費やしても何の問題もない。それで成功すれば、時間さえかければ達成できる難題であると判明する」
「よくわかんないけど、楽しそう!」
「うんしょ、うんしょ……」
おやおや、世界の上を目指しているようです。このままでは僕のところまで到達してしまうかもしれませんね。何せ、彼らの見ている天は造り物ですから(大体そうですよ)。
「ハァハァ……」
思ったよりもスローペースですね。ここで唐突に天に繋がる道でも現れたらどんな反応するんでしょうか?笑(やめましょう)
階段を用意しました。粗末ですが彼らが登るには十分だと思います。
「急に何か出てきたよ?」
「見ろ、月は我々を迎え入れている!」
「これを伝っていけということなのだろう、共に行こうではないか」
「行く行く~」
どうせ見えない天井に頭をぶつけるか、上の次元に体が耐えられずに崩壊するだけなのに。自分から破滅に向かっていくさまを見るのは面白いですね。
「なにこれ、文字がいっぱい並んでるよ?」
「まさか、あれは天ではなく上位次元に繋がっていたのか……!」
えっ?なんでここに?
「ここどこ~?」
「もしや貴殿が創造主なのか?」
おい、 くな!じっと ていろ!
動 し
「あはは、これ取るの楽しい~!」
「ふむ、我らを見下ろしていたのか……」
頼む ら余計な とをし い れ……
く でこ な か
「ぐちゃぐちゃにしちゃおーっと!」
「いいだろう、もはや我らが世界が箱庭に過ぎないことは証明された。ここに新たな世界を創り出すとしよう」
け 力 て 且
「ばらばらにしたら動かなくなっちゃった……」
「まずは下等存在を作るとしよう。かつての我々のような存在を」
(……)
(おやおや、見下していた相手に壊されてしまいましたね)
(私たちも、驕ることなく、「一寸の虫にも五分の魂」を忘れずに、思いやりをもった行動を心がけたいですね)
(以上、紫の狐でした)